シュガーズ
「晴緋君」
「ん?」
みんなで遊んだ帰り道
りっちゃんやあっくんの言葉で
晴緋君が家まで送ってくれることになった
グッジョブ
みんなとトモダチでよかった
「今日 楽しかったね」
「うん」
笑いかけると
ちゃんと微笑み返してくれる
こういうとこ好きだな
王子様っぽいし
「晴緋君ってさ」
「うん」
降り続いていた雨が
だいぶ小降りになっていた
「彼女いるの?」
「いないよ」
知ってるよ
話の流れを作るだけ
「好きな子は?」
「………いるよ」
いるんだ
あたし……じゃないことだけは確か
雰囲気でわかるもん
あたしの経験値をバカにしないでよね
「橘さんは?」
「あたしね………」
絶対 気づいてない
言わないと気づかない
意識してもらわなくちゃ進めない
負けたくない
「晴緋君が好き」
言っちゃった
人生で初めての告白
「………え?」
目を丸くした晴緋君が立ち止まる
「ご……ごめんね」
あたしは反射的に謝る
「今の忘れて」
走ってその場から逃げた