シュガーズ
「………はぁ」
逃げちゃった
電気もつけないでソファーに倒れ込む
顔は水で濡れてる
でも泣いてるわけじゃない
雨だよ
「あーぁ……」
ため息しかでない
逃げたりしなければよかった
だって晴緋君
困った顔するんだもん
あたしは笑って欲しかったのに
笑って『俺もだよ』って言ってほしかっただけなのに……
わかってたけど
あたしのこと好きじゃないことくらい
少しも眼中にないことくらい……
でも
1%でも希望があるなら信じてた
プライドだけがあたしを支えてた
好きな子って誰?
知永さん?
あたしが告白することに意味はあったのかな
ちゃんと意識してくれたのかな……
あたしの存在に気づいてよ
次あったらどんな顔しよう
『ごめん』
なんて謝られて
面と向かって振られても気丈でいられるほど
あたしは強くない
弱いから強い振りをしてるだけ
知永さんにも芽依ちゃんにもなれないの
愛してほしい
好きな人に好きでいてほしいだけなのに……
やっぱり
あたしの必要価値は見た目だけなの?
だから誰も愛してくれないのかな