シュガーズ


一睡もできなかった


「衣都姉ちゃん」

「どうした?」

「すごい顔だねっ」

「………。」


こんな幼い妹に言われたらおしまい

相当 ひどい顔みたい


こんなことになるなら

一昨日 徹夜しなければよかった



「準備しよっか」

「うん♪」


眞子が無邪気に笑う


決めた

今日は寝キャラ復活します


朝食とお弁当の準備をしながら

頭の中ではまだ昨日のことを考えてる


だって秦野君が『考えて』なんて言うから……


あたしの中では一向に答えが出ない


゙恋人基準"がわかんない


みんなってどれだけ好きだったら付き合うんだろ


芽依ちゃんは『考えること』

橘さんは『理屈じゃない』って言ってた


あたしはまだまだ初心者だから

わかんない



「眞子ねぇ すきな子いるんだぁ!!」

「え?!」

「゙けっこん"するの」

「……保育園の子?」

「違うよ」


どうやらあたしは

みんなよりも飛び抜けて遅いみたい


眞子

けっこんって……



「じゃあ誰かな?」

「ハル兄ちゃん♪」

「………。」


絶句

そういえば芽依ちゃんの家からの帰り道であったとき

懐いてたもんね


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