シュガーズ


わかってるから

言わないで

気まずくしたのはあんたじゃんか



「なぁ……」



ため息混じりで秦野君が言う



「そういう態度やめない?」

「え……」




何が?


なんであたしがキレられなくちゃいけなんだろう




「あからさまにハルのこと避けるの」

「………。」

「やめろよ」



なんだ

ハル君のことか

てっきり秦野君への態度かと思った





「橘サンになんか言われたの?」

「……別に」




「嘘つくなよ」

「関係ないじゃん」




思わず強い口調になってる自分に気づく




「秦野君には関係ないよ……」

「あるって」



女子トイレに逃げ込もうとするあたしの腕を掴む


「………。」


離せよ

なんて言えない


黙って睨む



「ちゃんと話せよ」

「……嫌って言ったら?」

「聞かないけどさ」



だよね

秦野君の目がそう言ってるもん



「1限さぼろうぜ」

「………はい」


頷いたら腕を離してくれた



「どこ行くの?」



屋上かな


「中庭」

「……あぁ」


どうやらあたしにあわせてくれたみたい

秦野君の後ろを歩く

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