シュガーズ


晴緋君と2人きり


「橘さん あのさ」

「………うん」

「なんか俺 悪いことしたかな?」


「え?」

「衣都に」




晴緋君が言う


昨日 告白された相手と2人きりになって

違う子の話するんだね



なんかむかつく


変な気の遣い方をした

知永 衣都



あんな避け方したら余計に晴緋君が気にするじゃん

ちゃんと考えてよ



「ねぇ 晴緋君」



なんで普通な顔してるの?

なんであたしのこと意識してくれないの?



「昨日 ごめんね」



あたしの告白をなかったことにしないで

何もなかったような顔しないで



「………あぁ うん」




思い出したかのようにバツの悪い顔をする



「ごめんね 橘さん」



謝らないでよ

惨めになるじゃん





「好きでいてもいい?」

「…………。」



あたし

何言ってるんだろ



「好きでいるのはあたしの自由だよね?」




計算じゃない

策略じゃない

いまのあたしの本音



正直今まで

晴緋君のことなんか好きじゃなかった

ターゲットとしか見てなかった



でも今は違う




ただ純粋にあなたが好きなの

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