シュガーズ
「芽依ちゃん」
「何?」
「あの………」
なんだかとてつもなく緊張する
「あ……あのね………」
「ぷっ」
突然
芽依ちゃんが吹き出した
「衣都ちゃん 深呼吸」
「………はい」
吸って 吸って 吐く
深呼吸してる間
芽依ちゃんはずっと笑ってた
「どうしたの?」
「あのね……」
今度こそ言うっ
「彼氏ができました」
言えた
「おめでとっ」
芽依ちゃんの顔がパァっと明るくなる
「ようやく伝えたんだね」
ようやく?
「………。」
「え……晴緋君だよね?」
ハル君
「……違うよ」
「え?!」
あまりにも大きな声を出すから
みんながあたしたちに注目した
日頃 大声とは無縁の芽依ちゃん
真っ赤になって下を向く
軽く咳払いをしてからあたしに向き直る
「……誰かな?」
あたしは彼の背中に目線を送って
芽依ちゃんに合図する
「内緒ね?」
「う……うん」
秦野君のことはみんなにば秘密"
あたしたちの約束
元から誰にも言うつもりはなかったけど……
芽依ちゃんは特別