シュガーズ
「芽依ちゃん」
「何~?」
「今週末 空いてないかな?」
「うーん……たぶん部活だぁ」
芽依ちゃんが不思議そうに言う
「何かあった?」
「海行かないかなって思って……」
「珍しい 衣都ちゃんが誘ってくれるの」
楽しそうに笑う芽依ちゃん
「……言い出したのはあたしじゃないけど」
「稚空君?」
「違うよ」
秦野君ど遊びにいく"とか話したことないし
「ハル君」
「………え」
名前を出すと芽依ちゃんが固まる
「ねぇ 衣都ちゃん」
「うん」
「晴緋君ってまだ知らないんだよね?」
「………。」
「2人が付き合ってるって知らないよね?」
黙って頷く
「早く言ったほうがいいと思う」
「………うん」
「余計なお世話だったらごめんねっ」
あたしの顔色を窺うような口調の芽依ちゃん
ごもっともだと思う
どうせそのうちバレるのは明らかなんだもん
でも秦野君が言わないでって言うから……
あたしからはまだ言えないよ
「こんなこと言っていいかわかんないけど」
「何?」
「あたしね……付き合うならハル君だと思ってた」