シュガーズ


゙ハルに言った"


昨日の夜 秦野君からメールがあった

言っちゃったんだ……


ハル君 怒ってる?

あたしたちのこと軽蔑してる?



不安な気持ちがペダルを踏む足を強くする


会ったらなんて言おう




「あっ 衣都」

「………。」

「おはよ」



駐輪場

とことんタイミングの悪いあたし



「………おはよう」



隠しようのない気まずさ


「行こ 遅刻するよ」



そんなあたしに対してハル君はいつも通りの笑顔



あれ?

おかしいな………



「暑いね 今日」



なんで?

秦野君から聞いたはずなのに……



「夏休み楽しみだね」



どうして何も言わないの?




「衣都 聞いてる?」

「え……あぁ うん」




なんで気づかなかったんだろう

ハル君は気にしてないんだ



彼にとって


あたしたちが付き合うことなんて大したことないんだ


高校2年生

周りにカップルがいるのなんて当たり前



自分の周りで゙友達"同士が付き合うのだって

珍しいことじゃないんだ……


日常の1コマ


あたしの存在なんてその程度






気にしすぎてたのはあたしだけ



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