シュガーズ


今までは誰にどんなふうに見られたって平気だった

全く……ってほどじゃないけど気にしてなかった

気にしてもしかたないってわかってたから



いつからだろう……

秦野君と付き合ったから?


違うと思う

ハル君と知り合ってから





「……なんでもないよ」

「ふーん」



秦野君は周りを見渡す

なんでもないわけなんてない

雰囲気を見ればわかる

あたしの嘘なんてなんの意味もない




「あっそ」



それでも秦野君は何も言わなかった

あたしの横を通り過ぎて自分の席に荷物を置く


座らないですぐに振り返る



「屋上 いるわ」

「………うん」



秦野君はいつでも自分のペースだ

今までのあたしに少しにてる

でもね

あたし以上に周りのことなんて気にしてない




でも気づいてわけじゃない

わかってて何も言わない



少し迷って

あたしは秦野君の背中を追いかけた


みんなに知られちゃった以上

隠す必要なんかないし



隣にいるハル君が今どんな顔をしてるか見たくない

怖くて見れないからここにはいたくない




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