シュガーズ
「………。」
絶句
過去は過去
ちょっと予想外だったけど
別にたじろぐほどのことじゃない
落ち着け あたし
動揺しちゃダメ
くーちゃんをあたしよりも上位に立たせたらダメだ
平静を装って
晴緋君の話題を出したときのくーちゃんを思い出す
あの時は思った
くーちゃんが一方的に好きなんだって……
でも違う
断定するには早すぎた
晴緋君は見た目とかそういうので女の子を選ぶわけじゃないんだ
仮に晴緋君がくーちゃんに未練があるとしたら
2人はどうして別れたんだろう
くーちゃんもたぶん好きなままなのに
お互いに想いあってたのになんで?
これはただの興味
「……あたしが振ったの」
くーちゃんが?
「晴緋君のこと嫌いになったの?」
あたしの質問にくーちゃんは首を横に振る
「違う」
「じゃあなんで?」
所詮は中学生の恋愛
たいした理由なんてなかったんでしょ?
倦怠感とか勢いとか……いろいろ
「彼といると弱くなる」
「……なんで?」
「晴緋は弱いから」
そう言って
くーちゃんはあたしに微笑みかけた