シュガーズ
「おっ 近藤」
あたしたちの姿に気づいた嶋林先輩が右手を挙げる
暗くて顔まではよくわかんないけど5人くらいの男の子が缶チューハイやビールを広げてたむろっている
「澪梨ちゃん どーも 3年の嶋林です」
「どーも」
嶋林先輩は全く酔った様子はない
シラフ?
それともただお酒に強いだけ?
あたしにはそこら辺はわからなかった
「まさか本当に落とせるとは思わなかったな」
ものすごく酔っ払った男の子が祐夢先輩の肩を組む
「やるじゃん ひーたん」
「だろ?」
「俺らねぇ 近藤が澪梨ちゃんのこと夏休み中に落とせるか賭てたんだ」
あぁ……なんだ
そういうことか
笑顔の祐夢先輩
あたしは先輩を睨んだ
「で いいんでしょ?」
そんなあたしの腕を嶋林先輩が掴む
「どーぞ 澪梨は俺の彼女だから」
「サンキュ 彼女借りるね」
「何?離してよ」
「ダーメ」
嶋林先輩が笑う
「賭けの内容教えてあげるよ」
「……何よ」
「近藤が澪梨ちゃんを落とせなかったら5000円 落とせたら1発ヤレる」
あたしの身体
5000円の価値ってこと?
「落とせるのに賭てたの俺だけなんだよね」