シュガーズ
「派手にやってんね」
「………は?」
廊下を歩いてると正面に大嫌いなやつの姿
「嘘ついてまで何守りたいわけ?」
「ちょっと……人のこと勝手に嘘つき呼ばわりしないでくれるかな」
目の前の秦野 稚空を睨む
彼は表情1つ変えないであたしを見ている
「あんたってさ 本当は何がしたいわけ?」
見下したような目
やめて
やめて
そんな目で見ないで
「うるさいな」
思わず大きな声を出してしまった
はっとして周りを見渡すけど誰もいない
胸をなでおろす
「あたしのこと嘘つき呼ばわりするなら証拠見せなさいよ」
「見た」
「え?」
「花火大会の日 あんたと嶋林先輩がホテルに入るの」
「………。」
全くの誤算だった
あたしは言葉を失う
「知永も一緒だったけど あいつは誰にも何も言わないだろうな」
「衣都ちゃんもいたの………?」
「まぁ 俺も別に誰にも言わないけどな」
秦野 稚空があたしの横を通り抜ける
「自分のこと大切にできないやつが人のこと大切にできるわけねぇじゃん」
「………あんたにだけは言われたくない」