シュガーズ
a commonplace event
「あーぁ………」
「どうしたの ため息なんてついちゃって~」
りっちゃんがあたしに抱きつく
暑苦しい
「澪梨らしくもない」
「………ねぇ」
「ん?」
「あたしらしいってなんなんだろうね」
後日談
あの後くーちゃんはあたしの家に泊まらずすぐに帰った
最後まであたしには顔を向けなかった
泣いてた
当たり前だけどさ
せっかく一晩かけていろいろ聞き出そうと思ってたのにな
あたしはその日 一睡もできなかった
しかもくーちゃん
コンビニのバイトやめてた
いきなり
逃げるようにあたしの前からいなくなった
バカな女
まったく張り合いがいがないの
つまんない
くーちゃんが言い返さなかったのは負けを認めた証拠でしょ?
逃げたのだって負けを認めた証拠じゃん
「澪梨?」
心配そうにあたしを覗き込むりっちゃん
「あ……ごめん なんでもないっ」
笑顔を取り繕う
あたしはいつまでこんなことしていかなくちゃいけないんだろう
卒業まで?
成人まで?
結婚するまで?
それとも………一生このままなのかな
「澪梨を不安にさせるものはあたしが消すから」