シュガーズ
「………理央ちゃん」
あたしが呼ぶ
昔の呼び方で
「馴れ馴れしく呼ばないでくれない?」
「なんでこんなこと……」
「あんたが大嫌いだから」
佐倉さん……理央ちゃんがあたしを睨む
あたしたちは中学時代 友達だった
゙協力するよ"なんて言ってあたしから離れて行った偽物のトモダチ
理央ちゃんは変わった
中学1年生のとき 彼女はいじめられていた
その頃のあたしはまだ少し周りの目を気にしていた
だけど かげで泣いている理央ちゃんを放っておくこともできなかった
手をさしのべたのはあたし
裏切られたのもあたし
理央ちゃんは高校入学までに大きく変わっていた
゙佐倉さん"
いつからかあたしは彼女のことをそう呼んでいた
「昔のあたしを知ってるあんたが大嫌いだからだよ」
あたしを押さえていた男の子たちに合図を出す
もう……だめだ
「………ゃっ」
「助けが来るなんて思わないほうがいいよ」
理央ちゃんの声が響く
「世の中そんな都合よくできてないから 正義のヒーローなんて現れないんだから」
「………助けて」
涙で前がよく見えない
「ハル君………」
呼んだのは彼の名前