シュガーズ
「ねぇ りっちゃんと詩ちゃん見なかった?」
「いや 知らねぇよ」
小首を傾げるあっくん
珍しい
2人が休みなんて
さぼりの日はいつもあたしのこと誘ってくれるのに………
「そっか」
なんか 嫌な感じがするんだよなぁ
ふと 芽依ちゃんと目があう
「何?」
「え……あ いや……」
冷たい口調のあたしにあからさまにどもる芽依ちゃん
あたしがじっと見ていると顔を上げた彼女が言う
「衣都ちゃんもいないから……ちょっと心配で」
「衣都ちゃん?」
そう言えばいない
周りを見回して確認する
「休みなんじゃないの?」
「ううん 今日の朝 下駄箱まで一緒に来たから……」
そう言ってまた下を向いた
あたしの直感
りっちゃんたちは知永 衣都といる
……あたしに一言くらいくれてもいいのに
りっちゃんがそこまで知永 衣都にこだわる理由があたしにはよくわからなかった
「…………。」
「澪梨ちゃん?」
チャイムが鳴る
あたしは芽依ちゃんに背を向けて席についた
知らない
りっちゃんが勝手にやったことだもん
どうなったってあたしには関係ないことじゃん