シュガーズ
「………芽依ちゃん」
手を伸ばす
泣き崩れる芽依ちゃんの髪の毛にふれる
「……泣かないで」
嫌なの
あたしのために誰かが泣いたり傷ついたりするのは嫌
誰かが傷つくくらいならあたしが傷ついたほうがいい
傷を隠して1人きりで生きていくほうがずっと楽
「どうしてここに?」
「早苗さんっていう人から電話もらったの……衣都ちゃんの携帯 あたししか学校の女の子登録してなかったみたいで」
「あぁ……そっか」
泣くまいと必死でこられてる芽依ちゃんを見てるとなんだかつらくなった
だけどここであたしが泣いちゃいけない
気づかれないように強く目を閉じた
「ごめん 芽依ちゃん」
「え……何?」
「少しだけ 1人にしてくれないかな」
「………。」
「気持ち悪くて しんどいの」
「……わかった」
ゆっくりと頷いた芽依ちゃんが席を立つ
「早苗さんと話してくるね」
そう言って部屋を出た芽依ちゃんの横顔はとても悲しそうだった
だけどあたしはそんな彼女の表情に目を背けた
静まり返った部屋
息を吸う
身体が痛い
痛みが……さっきのことを思い出させる
こわい
コワイ