シュガーズ

朝から知永がいない

横江の様子は明らかにおかしかった

なんかそわそわしてるし


「どうした?」

って聞いても

「……なんでもない」

って答える

その繰り返し

昔からあいつは嘘をつくのが苦手だから顔に出てる

゙なんでもない"

なんてこと絶対にない

でも 自分の損得を考えて嘘をつくようなやつじゃないことはよくわかってる

橘サンと目があう

嫌な予感がした

だから

携帯を片手に真っ青な顔をして教室を飛び出していく横江の背中を追った

知永に何かあったのかも



「え………稚空君 なんで?」


着いたのは病院

案の定

受付で女の人と話していた横江が目を見開く

俺は一緒にいる女の人に軽く会釈をした


「もしかして……゙ハル君"?」


そんな俺を見て言う

今 ハルの名前が出ることはとても不愉快だった


「違います」


無表情のままで俺はハッキリと言った


「知永の彼氏です」

「………え?」


女の人はあからさまに驚いた顔をした

反応でわかる

知永の家族か親戚だって

間違いなく病院にいる



「知永は?」

「稚空君……今はその…1人にしてあげてくれないかな?」


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