シュガーズ

「家まで送るよ」

「………。」

「ねっ?」


そんなこと言われても頷かないし

面倒だから

別に断りもしない


黙るだけ



「その子 知永さんの妹?」

「………うん」


娘にでも見えますか?

なんて言ったら


ただのひねくれ者だよね


「可愛いね」


自転車を引いてあたしの横を歩く藤森 晴緋



コイツのことなんか嫌いだけど

あたしのこと 詮索しないでくれるから少しありがたい

あえて聞かないでくれるのか

無意識なのかはわかんないんだけど……


「家 ここだから」

「あぁ うん」





「今日はありがと」


感謝の言葉

一応

常識はあるあたし



家まで送るとかお節介だったけど

保育園まで乗せてってくれたのは助かった

そこまで口にはしないけど……



「知永さんっ」


まだ何かあるの?

彼は玄関で鍵を探すあたしの名前を呼ぶ



「何かあったらいつでも言ってね 俺 協力するから」

「………。」





『衣都ちゃん お母さんが入院したんだって?』


『大変だね あたしたち衣都の味方だよ!!』


『友達だもん 困ったこのがあったらいつでも言ってね?』


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