シュガーズ

「…………。」


下駄箱をあけて 固まる

はぁ……またか


あたしが昇降口でため息を漏らすのには

2パターンある

まず1つ

いまどき有り得ないラブレターが入ってるとき


゙体育館裏に来てください"

゙このアドレスにメールをください"

見てるだけでさむい


あたしのアドレスが入手できないし

話しかけることもできないようなチキン野郎からの手紙にいちいち反応するほど暇じゃないっての

興味ないし 迷惑


もう1つはいまの状況

嫌がらせ

下駄箱の中に大量のぐしゃぐしゃになった紙

試しに1枚開いてみた


゙死ね"


ふーんって感じ

こんなの真に受ける人なんているのかな?


「澪梨 おはっ」

「あ………りっちゃん」


後ろから声

即席で涙目にして振り返る


「うわ……ひど 何それ」

びっくりしたような声


「ちょっと待ってて」

小走りでその場を後にする彼女の背中を見送って考える

今回は誰だろう

祐夢先輩?

先輩のファン?

それとも 誰かの彼女かな………

いろんな心あたりがありすぎて わかんないや


「お待たせ」


ゴミ箱を片手にりっちゃんが戻ってきた


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