シュガーズ


「………りっちゃん」


泣きながら抱きつく


「泣かないで澪梨」


そう言いながらあたしの頭を撫でてくれた

りっちゃんは単純

あたしから離れたりしない

あたしのために嫌なやつは消してくれる

トモダチ だから

ここ数日

嫌がらせの数が今までになく多い


「澪梨」


迷惑してる

傷ついたりはしないんだけどさ……


「あたしは澪梨の味方だからねっ」


いらない

そんなペラッペラな言葉いらない

あたしはりっちゃんの味方なんかじゃないし

りっちゃんだってそうでしょ?


ギブ アンド テイク

お互い 損得感情以外で関わりを持ったりしない

いらなくなったら捨てるだけ


でも

不思議と寂しくはなかった

あたしにはちゃんと理解してくれる人がいる

素の自分もまるごとわかってくれる人がいる

よっこちゃんがいる

それだけで大丈夫



「行こ 澪梨」

「ありがと……りっちゃん」


偽りの笑顔を向ける

りっちゃんは満面の笑みであたしに答える




まだまだ生き方は変えられそうにはない

作った自分

だけど 今はまだこれでいい

もう少しこのまま生きていこうと思う

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