シュガーズ


゙知永を不安にさせること全部 俺がなくすから"


絵文字も顔文字もないメール

秦野君から

返信はしなかった

そういう気分になれなかったから


あたしが学校を休み始めて1週間が経った

あの日からもう1週間以上が経過したってこと


外には出られる

眞子の送迎やバイトには行ける

だけど

学校にだけはどうしても行けなかった

担任から連絡があった

休みが続くと特待生として扱えなくなるらしい

仕方ないと思う

ただでさえ遅刻の常連で成績だけがあたしの支えだった

バイトのこともあったし 学校もこれ以上庇いきれないみたい

早苗さんにお願いしてお母さんには黙っててもらってるけど このままじゃ時間の問題

心配をかけたくない

行かなくちゃいけないのに……目を閉じると思い出すの

あの時の光景
佐倉さんの顔

足がすくんで動かない

だからこそ

秦野君からのメールはすごく心強かった

あたしには帰る場所がある

居場所がある

その反面

後ろめたさがあたしの胸にモヤモヤと広がる

秦野君はあたしの支え

それなのに 心の中では彼のことを裏切ってる

彼氏がいるのに 他に好きな人がいる

あたしは最悪だ

< 275 / 287 >

この作品をシェア

pagetop