シュガーズ
ふと
秦野君と目があう
「…………。」
見んなよ
そんな哀れんだような目でこっち 見るな
秦野君はどこまで知ってる?
知永 衣都のこと
学校に来れるようにしてあげたいに決まってる
あたしにつっかかってきたときの取り乱し方を見てればわかる
だけどさ
そのわりには何のアクションもおこさないよね
あたしには晴緋君にアピールしてないとか偉そうに言ってたくせに
自分は好きな女1人 守れてないじゃない
「ちょっと 秦野君とお話してくるね」
「え?」
りっちゃんがきょとんとする
「なんかあたしに話があるみたいだから」
にっこり笑う
秦野君にも聞こえるような音量でそう言うと
頬杖をついていた彼の手がガクッと外れる
「ねっ 秦野君?」
「……………おう」
彼の腕を引っ張ってたたせる
近くに晴緋君の姿はない
最近 一緒にいない
「なぁ」
「何よ?」
「最近あんたと俺 絡みすぎだと思う」
「なんか文句でもあるの?」
こっちだってリスクは承知なんだから
「俺はあんたが嫌いだ」
「………あたしもよ」
いまさらわかりきったこと言わないでよね