シュガーズ

「………。」

動け

動けあたしの足



「今日ね クラスのみんなで親睦会やるんだって」

「………。」



「知永さんにだけまだ言えてなかったから」



それだけ?


それいうために

あたしのこと待ってたの?



「行こうよ」


何それ……



「バイトだから」




ようやく振り絞った声


震えてるの

この人に伝わってないといいけど



「それに あたし……」




ねぇ 教えてよ




「……偽善者ぶる人 大嫌いだから」




あたしはどこまで

悪者になればいい?




カレに背中を向けて廊下を歩く


もう 終わり





「知永さんは間違ってる」



あたしの足が


また動かなくなる




「昨日からずっと考えてたけど 俺には知永さんの考えてることわかんない……」



ただ

背中に藤森 晴緋の声を聞く



「でもね 俺は単純に 知永さんのことすごいと思ってる」



「………。」



次第に近づいくる声



「力になりたいって気持ちはウソじゃない」



今 あたし



「俺 知永さんの……」



どんな顔してるんだろ


「友達になりたいんだけど」


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