シュガーズ

「次 移動だよ」

「………。」


あら

ご親切にありがとう

……なんて気分にもなれるはずない


突っ伏してるだけで寝てないあたし


みんないなくなってから移動するつもり

お願いだから構わないでほしい




「ほら ハルも起きろ」



秦野 稚空だよね?

顔あげなくても声でわかる


「知永ぁー」


肩を揺らされる

反応に困る


起きる?

起きない?


「………。」


起きよう


「おはよ」

「………。」


あたしは秦野 稚空と目を合わせない


この人の目

苦手



「ハル 行こ」

「んー?あっ 移動か」

「知永も行く?」

「……。」


いや 結構です

黙って首を横に振る



「あっ そう 遅れないようにね」

「……。」


「知永さんと稚空って仲良かったっけ?」



ようやく

目が覚めてきたらしい藤森 晴緋が

あたしたちを交互に見て首を傾げる


「………。」


仲良くなんかないし


藤森 晴緋 2号なコイツ

むしろ苦手




「うん トモダチ」

「……。」

「じゃあ俺らみんな友達だね」



納得したように笑顔を見せる藤森 晴緋

よくわかんない

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