シュガーズ


あたしは言われた通りにカーテンを引く


「………。」

『よっ』


イヤな予感的中

家の前には藤森 晴緋の姿がある


『どうせなら顔見て話そうよ』

「………。」


どうせなら?


『知永さんのせいで俺 ストーカーデビューしちゃった』

「………。」


完全に言葉を失うあたしを見て藤森 晴緋は笑う



『今の笑うとこだよ』

「………あぁ」


この人 いつからいたんだろう



『知永さんの話聞く前に 1つ言わせて』



早苗さんの時からずっと?

なんて

怖い映像が頭をよぎる









『学校 やめないで』

「………え?」



優柔不断なあたしの核心をつく言葉


引き止めてくれるの?




『知永さんの家の事情は わからないけど……』


そのことについて今から話そうって思ってたのに

聞いてもらおうと思ったのに




『1人で背負わないで』



藤森 晴緋はあたしなんかより何枚もウワテだった



『俺がいる』

「………。」



あなたはあたしを裏切らない?



どんなあたしを見ても
どんな過去を知っても


ちゃんと



「……あたしのこと受け止めてくれる?」


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