シュガーズ
「新発見なんだけどさー」
あたしはなぜか
藤森 晴緋に言われて散歩をすることになった
というのも
『通話料!!』
っていう彼の気遣いがあったから
「今さら?」
って思ったけど………
あたしは眞子が寝てるのを確認してから家を出た
「知永さんって俺のこと『藤森君』って呼ぶんだね」
「うん…なんで?」
確かに呼んだのはさっきが初めてだけど
何か問題でもありますか?
「ほら 俺ら友達じゃん」
「うん」
「ハルって呼んで」
「………。」
気のせいかな
あたしの目の前のハードルが
突如上がった気がする
「………。」
「ね?」
「……無理」
「えー」
思い切り首を振ると 残念そうに肩を落とすカレ
「あ………」
「え?」
何か思いついたみたいで突然 足を止める
「俺も『知永さん』って呼んでるね」
「………。」
確かに
「じゃあ゙衣都"って呼ぶ」
「え……」
「いいでしょ?」
「………。」
自分のカラに閉じこもってばかりいたあたしに
「……勝手にすれば」
カレは前に進む勇気をくれた