シュガーズ

「あ……大切なこと忘れてた」




10分くらい歩いて


ふと

藤森 晴緋が思い出したように言う




「家庭教師のバイトやらない?」

「……え」


いきなりで展開が読めないでいるあたし

家庭教師?


「俺の親父に 学校の首席の子がバイト探してるって話したら募集かけてくれたのね」

「………うん」

「希望者 すごい集まっちゃったわけ」

「………。」



いまいち話の概要が見えないんだけど


「あっ 俺の親父 塾の講師やってるんだ」

「……そうなんだ」

「つまりー」



中途半端な返事を続けるあたしにカレは言った





「俺は簡単に『学校やめないで』って言ってるわけじゃないよ」

「………あ」



「少なくとも駅前の喫茶店でのバイトよりは割に合うと思う」




「………。」



゙喫茶店でのバイトよりは"



キャバクラのこと

ウワサでやっぱり知ってるんだ



「あれ……駅前?」



なんで知ってるの?

そこまで細かいウワサ流れてたっけ?




「ストーカーデビューしちゃったって言ったでしょ?」

「………。」



一体

あたしはいつからつけられてたんだろう



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