シュガーズ


「俺のこと好きでしょ?」


和哉君 勘違いだよ

あんたのことなんかターゲットとしか見てないよ



「………ごめん」

「澪梨のために別れたんだよ?」



あたし 別れろなんて頼んだ覚えないよ

それにさ

あんたのこと好きって言ったことあった?




「和哉君とは……友達でいたいの」



ためた涙を流す

早く諦めてよ





「納得いかねぇよ」

「………。」



しつこいなぁ



「俺のどこがいけないの?」

「………手 痛いよ」



何 コイツ

自分のことしか考えてないじゃん

目の前で女の子が泣いてるんだよ?



「やめろよ」

「………え?」



声がする

和哉君の力が緩む




「泣いてんじゃん」

「………あ」


あたしの肩から手を離す




「ごめん」

「………大嫌い」



キャラ作りも忘れて和哉君を睨む




「ほんとごめん」



血の気がひいてる

情けないなぁ



「………。」



さらに黙っていると和哉君はあたしに背を向けて走り去った



意外とあっけない




「あんたに助けられるとか最悪」


「助けてくれた人に言う台詞かよ」



< 95 / 287 >

この作品をシェア

pagetop