BloodButterfly
「お前手動かないだろ?」
男は勝ち誇ったような顔をしていた
「ん~、確かに…」
女は手を握ろうとしていたけど震えているだけで動いていなかった
片方は男の切り傷で
片方は俺のせいで……
俺は怖くなって刃物を握りしめていた手を緩めた
「…やっと離したんだ」
女はこっちを向いた
女の朱い瞳と目があうと女は微笑んだ
その顔がすごく綺麗でこういう人を女神って言うんだって思った
今まで俺に言い寄ってきてた女とは比べものにならなくて
俺は見入っていた
「ん~…実験の為の人殺し…これうちの組織禁じてるはずなんだけど?」
女がうちの組織と言ったのを聞いて驚いた
こんな女が…裏の世界の奴だってのかよ…?
「…BloodButterfly…」
さっきまで黙り込んでいた女が口を開いた
なんだ…?それ
「…流石、早水咲
頭がキレるってのはほんとみたいね?」
朱い女が笑いながら言った