BloodButterfly


「っつ、やっぱ痛いな~…
あいつら短剣になに付けたのよ…頭くらくらする」


男は短剣に毒を塗っていたんだ…なんでまだ生きてる?



「……あ、あんたのこと忘れてた………もう、この世界に関わってはいけないよ」



朱い女は微笑みながら言った


ドキン


胸が苦しかった

俺は…この女に恋をした



「あ~、詩歌?今どこ?ちょい助けてよ」



女は仲間を呼んだみたいだった


「…もう…帰り…な?」


女はようやく毒が回ってきたのか喋るのがキツイみたいだった


『…死んじゃうのか?』



俺は心配で…俺のせいでこの女が死ぬのが怖くて…


発した声は弱々しかった



「…ふっ…勝手に殺さないで?」


女はまた微笑んだ


「あんた…名前は?」



『早水…翠』


「はやみすいね~…死ぬなよ!!」


朱い女は喋りすぎたのか咳込み血を吐いた



『…お前のが死にそう……』



「……ははっ、死ぬかもね」



女はそういって去っていった
たくさんの血の跡を残して


SIDE:翠 END


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