真実のカケラ
幼なじみ
春。

色鮮やかなリボンを首にまとい、着慣れない制服に違和感を感じながらもしたくに取りかかる。

台所からはお母さんのあわただしい歩く音。

今日は私の入学式。


「明菜~したくできたのか?お?なかなか似合うじゃん」

ちゃかすように私の部屋のドアから覗いているのは2つ年上の兄。晴希(ハルキ)。
今日から先輩になるのだ。

「へへ。まぁね♪」
少し照れながらもまんざらでもない私。

「ご飯できてるわよー早く食べなさーい!時間ないんだから」

台所から母の呼ぶ声がする。
私と晴兄は急いで下に降りていく。

「あ、晴希おは~!!」
台所に行くと自分の家かのように食卓についている幼なじみ、瞬が眠たそうに挨拶をしてくる。

瞬は小さい時からいつも一緒にいたので家族同然で、この朝の光景は不自然ではなかった。

私は瞬にいつものように挨拶をして食卓についた。

父は朝食を食べ終え新聞を読みながら珈琲を飲んでいた
「あ、お父さんおはよ~」

「おぉ!!明菜は何を着ても似合うなぁ!!さすが父さんの子だ♪そうだ!!瞬くん!晴希!明菜のこと頼んだぞ!!明菜はべっぴんだから悪い虫がつかないように!!」
父はそう言って瞬と晴兄の肩を力いっぱい叩いた。

「はいはい(笑)」
いつもの事だが、父の過保護ぶりにはあきれながらも返事をした。

♪♪ピーポーン♪♪

あ、きたきた
いつもの彼女のお出迎え

晴兄の彼女だ。
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