先輩と私。

「中等部3年の山本桜です。 よろしくです」


そう言ってから、私はもう一度会釈。


「やだっ、私上下関係とか苦手だし、そんなペコペコしないで?」


今度は凪先輩が困ったような顔をして笑う。


「私はお気楽主義なのっ♪」


その場でガッツポーズをする。



…やっぱ、何か変わった人だなぁ。



「そういえば2人は、高等部の何年生なんですか?」


「俺たちは2年生だよ。 来年大学受けるヤツがほとんど」


「へぇ…」



2年生だったんだ…。


「じゃあ、私にかまってる暇なんてないんじゃ…? 勉強頑張ってくださいね!…」



ふと視界に入った。


凪先輩が遠藤先輩の腕をちょこんと握っているところが。


一刻も早く視界から消したくて、私は理科のノートを提出することも忘れて、


私はその場をあとにした。



先輩たちに、嫌な子って思われたかな?



「桜ちゃん?」



不思議そうにしている凪先輩の声が後ろから聞こえてくる。


やだ、ヤダヤダヤダヤダ…。


遠藤先輩と凪先輩って、


どういう関係?


幼なじみなんて言ってるけど…


本当は…。


恋人だったりするの?
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