先輩と私。
私…やっぱり最低だ…。
なんでこんなことで嫉妬しちゃってるんだろう。
私がいい気になりすぎただけだよ。
名前褒められたぐらいで、遠藤先輩のコト好きになっちゃって。
でももう、嫌いになんてなれないんだよ…。
「アレ? 桜!!」
「…はい?」
泣きはらした顔で店の前をうろついてる私に声をかけてくるのは、
やっぱり…。
声で分かっちゃった。
遠藤先輩…。
「お前なんでそんなに泣いてんだよっ。 凪からメールがあったんだ」
「えっ…」
「《桜ちゃんが心配だからお願い》って」
「…」
私あんなにヒドいこといったのに…。
凪先輩は私のこと…。
なんでこんなに私、幼稚なんだろ?
「とりあえずこんなとこじゃアレだし、どっか店入ろう」
近くのファミレスに誘われて、私は先輩と一緒にファミレスに入った。
「どしたんだ? 急に店出たりなんかして」
凪先輩から、全部聞いてるんだ…。
私のコト、嫌な奴だって、嫌うに違いない。
「分かりません…。 なんかツラくなったんですっ」
「どうして?」
「………だって、凪先輩と遠藤先輩が恋人同士だなんて、知りたくなくて!!」
「はぁ!?」
先輩は愕然と顔をする。
私はそれを無視してどんどん話す。
「凪先輩は遠藤先輩のコトばっかり話すし、二人ってホント仲良いんだなって…! それで嫉妬しちゃって! 私最低な奴…」
「ちょ、ちょっと待て! 俺と凪がいつ付き合ってるって?」
「ぇ…?」
先輩に制止され、私はよくよく考えてみる。
―――――先輩が凪先輩と付き合ってるなんて、一言も言ってなかった。