先輩と私。
◎ 好き


「俺は好きだけどなぁ」



私の頭の中の混乱がおさまらないうちに、


先輩は口を開く。



「…好きって」


「うん。 桜の木が!」


「なんだ…」



やっぱ先輩、意地悪じゃんっ。



「冗談だよ、ガッカリした?」


「そんなことありませんっ!」


「桜の気持ち聞かせて?」


「私は…」



どうしよう、言ってしまっていいのかな。


もしこれで、フラれちゃったら?


怖い。


不安と恐怖で押しつぶされそうだよぉ…。




「私、遠藤先輩のコト、好きです」



言っちゃった…。


先輩は険しい顔をしてうつむいてる。


やっぱ…、無理なのかな…。
< 19 / 48 >

この作品をシェア

pagetop