先輩と私。

「あの…、先輩?」


私が声をかけると、先輩が前を向く。



「あ、ゴメン。 ボーッとしてた。 俺相当シャイな性格だからこういうの恥ずかしくて」


「シャイ…」



そういえば凪先輩が言ってた。


シャイな性格だって。


照れ屋さんなんだって。



でもどうしてこんなこと、私に教えてきたんだろ?



「まぁ…、俺も…桜のこと……好きだけど…」



ゴニョゴニョと小さな声で喋る先輩。


「先輩、聞こえませんっ」


「お前はSか!? 俺結構頑張って言ってるのに!」


「ふふっ。 きちんと私に聞こえるように言ってください…。 私、嬉しいからっ」


「俺も桜のコトが好き! コレでいいか?」


「はいっ」



私はなんでかわかんないけど、


笑いがとまんなくなった。



嬉しくて、嬉しくて、


先輩と両思いだって思わなくて…。



でも、いつから私のこと…?
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