先輩と私。
その時。


「桜ちゃんっ…はぁ…」



勢い良くファミレスに飛び込んできたのは、


凪先輩だった。



私は凪先輩の顔を見るなり立ち上がって、


先輩の目の前に立つ。



「すみませんでした!」



「…やめて? 顔をあげて!」



「でも…」



「言ったでしょ? 私はお気楽主義だって」



顔をあげると、そこには凪先輩の温かい笑顔があった。


そこから凪先輩も席に座って、一緒に話をすることにした。




「私会った瞬間に気づいたんだ。 『あ、この子拓のこと好きなんだなぁ』って」


「えぇっ…、そんなに早くからですか?」


「恋してる目だった。 だから拓のコトいっぱい教えてあげようと思ってね」


「…そんな」


「なのに話してたら自慢話なんて言われちゃって! 誰がこんな馬鹿幼なじみのこと自慢するかっての!」



凪先輩は笑い飛ばしながら言った。



「ホント、すみませんでした」


「ちゃんと最後まで話聞いてよね? 『拓は照れ屋でシャイで奥手で、気持ちを伝えるのは苦手だけど…、桜ちゃんに一目惚れしてたよ』って、言おうとしてたのに」


「一目…惚れ?」
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