先輩と私。




「じゃあとりあえず…。 遠藤君に指導係お願いしてもいいかな?」


「はい」




先輩に連れられて、私はカフェのスタッフ専用ルームの中にいた。


先輩が私の指導係♪


ラッキー!


知らない人に教えられるよりも、先輩のほうが頭に入りそうだしっ。



「じゃ、まずはレジ打ちからな」


「はーい」



ほかのバイトの子たちは皆店内へと戻っていった。



私と先輩はレジへ向かい、生まれてはじめてのレジ打ちをすることに。



「まぁ慣れればすぐできるようになるから!」


「はいっ」


「最初にここを押して、それから注文書を見ながらメニューのボタンを押すだけ」


「ほう…。 難しそう…」


「桜ならできるぞ? じゃあこの注文書みながら打ってみようか」



新入りのバイトの子専用に、練習用注文書と書かれたモノを手渡された。


こんなのあるんだぁ。



「えっと…、カプチーノ…」


必死でカプチーノのボタンを探す。


そしてようやく見つけたと思ったら、


「キャラメルマキアート…、クリーム付……」


またもや迷子。




その様子を見た先輩も「これは練習が必要だなあ?」と苦笑しながら言った。
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