先輩と私。
ま、ココの学校の気に入ってるところっていえば、
制服ぐらいかな…?
「わ、そろそろ時間だ」
私は思い切り立ち上がり、スカートについた桜の花びらを、
まるで汚いものがついているかのような感覚で、はらう。
私の名前の由来のモノ。
…やだやだ。
首をブルブルと横に振り、私はそのまま中等部のある校舎へと戻って行った。
*
「お、ギリギリセーフだ。 桜って、いっつも裏庭で1人で何してんのよ?」
教室にすかさず入ると、
チャイムまであと2分だった。
危なっ。
机に腕をのせ、身を乗り出しながら私に話しかけてくるこの子。
この子こそが、この学校で私の唯一の友達。
本郷美咲(ホンゴウ ミサキ)。
いつもは“ミサ”なんて呼んでる。
ミサはきちんと中学受験して入ってきたんだよね。
なんで私なんかにかまってくれるんだろ…。
「ま、桜はどうせいつも授業中居眠りしてるけどね♪」
「もうっ、うるさいうるさい!」
なんだかんだでミサとは相性がいいななんて思ってる。
私はただ知り合いだったからこの学校に入れただけなのに。
ミサと付き合っててたまに思うんだぁ、
なんか、悪いなって。