先輩と私。

ま、ココの学校の気に入ってるところっていえば、


制服ぐらいかな…?


「わ、そろそろ時間だ」


私は思い切り立ち上がり、スカートについた桜の花びらを、


まるで汚いものがついているかのような感覚で、はらう。



私の名前の由来のモノ。


…やだやだ。



首をブルブルと横に振り、私はそのまま中等部のある校舎へと戻って行った。






「お、ギリギリセーフだ。 桜って、いっつも裏庭で1人で何してんのよ?」



教室にすかさず入ると、


チャイムまであと2分だった。


危なっ。



机に腕をのせ、身を乗り出しながら私に話しかけてくるこの子。


この子こそが、この学校で私の唯一の友達。


本郷美咲(ホンゴウ ミサキ)。


いつもは“ミサ”なんて呼んでる。


ミサはきちんと中学受験して入ってきたんだよね。


なんで私なんかにかまってくれるんだろ…。



「ま、桜はどうせいつも授業中居眠りしてるけどね♪」


「もうっ、うるさいうるさい!」



なんだかんだでミサとは相性がいいななんて思ってる。


私はただ知り合いだったからこの学校に入れただけなのに。


ミサと付き合っててたまに思うんだぁ、


なんか、悪いなって。
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