先輩と私。
私が注文を聞きに行くように言われたのは、
ここらでも有名な、不良が集まる高校の制服を着た生徒達のテーブルだった。
正直言うと…
あんまり行きたくないかも。
そんな気持ちをグッとこらえ、
「ご注文をお聞きします」
笑顔で言った。
すると1人の女子が、私の顔をジッと見ている。
「あの…。 ご注文を…」
「ねぇ? あんた幼い顔してるねー? ホントに高校生バイトなのぉ?」
「えっ…、はい」
高校生なんてバレたら、大変…。
「童顔なの?」
「はぁ…、良く言われます」
「何その態度? 客に対する態度じゃなくなーい?」
自分が高校生じゃないということがバレないように小声で喋っていると、
態度を指摘された。
「申し訳ありません。 ご注文をお聞きしてもよろしいですか?」
なんとか耐えて、私は笑顔を貫く。
「じゃぁー…。 いちごパフェ1つとミルクティー3つで」
「かしこまりました。 少々お待ちください」
私がテーブルから立ち去り、キッチンから女子高生たちの様子を見ていた。
なにやら不気味に笑ってる。
「あっ、いちごパフェ1つとミルクティー3つお願いしますっ」
キッチン担当の人に声をかける。
…嫌なお客さんだぁ。
そんなことを思いながらも、私は注文された品が作られるのをキッチン前で待っていた。
ときどき大きな声で、女子高生たちは、
「コレ重大ニュースじゃなぁい!? やばいんですけどぉっ」
「いい気味だよねぇ!」
なんて話していた。
クラスの人の悪口とか、誰かと誰かが付き合ってるとか、そういうコトなのかな?
なんて思いながら、「コレお願い」とキッチン担当の人に言われ、
女子高生たちのテーブルに運ぶことになった。