先輩と私。
「んでさー、コレバラしてやろうよぉ」
べちゃくちゃ喋っている女子高生のところへ、
「お待たせしました」
ミルクティーとパフェを丁寧にテーブルに置いていく。
…何の話してるんだろ。
「あのぉー、そこのおしぼりとってもらえませんかぁ?」
女子高生の1人が私に頼んでくる。
明らかにそっちのほうがおしぼりに近いじゃん!
と思いつつも、私は「かしこまりました」と言っておしぼりに手を伸ばす。
…その時だった。
「今だよ今」
女子高生のささやきとともに、
私の体におおわれる形になっていたミルクティーのカップが、
ガチャンと音をたてて倒れた。
テーブル一面にミルクティーがこぼれる。
「きゃぁー! ミルクティーこぼしたぁこの店員サンッ!」
女子高生の叫びとともに、カフェの中が騒然とした。
違う…。
今のは、誰かがカップを倒したんだ…!