美男子症候群!?
「ちょーど良かった。野宮に聞きたいことがあったから。とりあえず学校行くぞ」
あたしの動揺なんて気づきもしない拓海くんは、そう言ってさっさと外へ向かう。
なんか一緒に行くことになってるんですけどー。
憧れの男のコが朝改札で待っていてくれて、そこから一緒に仲良く登校なんて、どんなときめきイベントですかね。
しかしときめきと一緒に、もれなく大出血の危険もついてくるので、一概に喜べやしませんけどね。
「あっ! ミスターだぁ」
「今日もかっこいい~」
「なんでミスターが駅にいるの?」
周囲の女のコたちのひそひそ声が聞こえてくる。
そういえば、確か拓海くんてバス通学のはず。
なんで駅にいるのかな。
いつも一緒にいる派手なお友達はいないのかな。
きょろきょろ周りを見渡してみたけど、それらしい人たちはいないみたい。