美男子症候群!?
「おい。何してんだ、行くぞ」
「は、はいぃっ」
飼い犬にするように呼ばれて、思わず返事をして駆け寄ってしまった。
ああっ、ハルのばかばかばか!
「ちょっとぉ、なによあのコ」
「ミスターと一緒に学校行くの?」
「まさか、彼女じゃないよねぇ?」
また女のコたちの声が聞こえてきて焦る。
拓海くんと一緒にいるだけで、あたしまで目立ってしまう。
ここに紗知子がいてくれれば違ったのに~。
「なんだその顔。俺と学校行くのがそんなにうれしいか」
駅を出ると同時に、イラッとしたような拓海くんの声。
うわ、あたしそんなに露骨に嫌な顔してたかな!?
慌てて笑顔を作った。
「そ、そんなことないよ。でも……どうして佐渡くんが駅に?」