美男子症候群!?
動揺が大きすぎてうまくしゃべれない。
あうあうと口を動かすだけのあたしを見て、先生はぐっと眉を寄せる。
そしてツカツカと歩いてきて、あたしの腕をつかんだ。
「なにしてるんだ!」
拓海くんの体をドンと突き飛ばして、久木先生が声を荒げる。
いつも柔らかい笑顔の久木先生からは、想像のつかない厳しい表情に、ドキリとした。
「大丈夫? ハルちゃん」
あたしはコクコクと何度もうなずいた。
「久木先生、なんでここに……?」
「大学の仲間と来たんだ。偶然だけど、よかった」
ふわりと優しく抱き寄せられて、ほっとした。
全身から力が抜けて、自然と先生の胸にもたれてしまう。