美男子症候群!?
拓海くんに抱きしめられた時は、あんなにガチガチに緊張したのに。
久木先生が相手だと、なぜかすごく、安心した。
「……ってーな。またあんたか」
突かれた肩を押さえながら、拓海くんが不機嫌そうに久木先生を睨む。
久木先生はあたしを自分の背中のうしろに隠した。
「キミはこの間会った時も、ハルちゃんに迫っていたね」
「ああ。それをあんたが邪魔したんだ」
「このコが嫌がっているのがわからないのか? これ以上ハルちゃんに近づかないでもらおう」
久木先生の言葉に、あたしはちょっと困惑する。
あたしはさっき、嫌がっていたわけじゃ、ないと思ったから。