美男子症候群!?
あの日拓海くんと久木先生は、しばらく睨み合っていて。
どんどん拓海くんの目つきが極悪になっていくものだから、
いけないとあたしは2人の間に入った。
「あの! 佐渡くん、あたし先に帰るね! お金は紗知子に立て替えておいてもらうから、みんなによろしく!」
「おい、野宮」
「ごめんなさい! 久木先生、行きましょうっ」
「でもハルちゃん」
「はやくはやく! じゃあ、また!」
そうやって強引にその場をおさめて、あたしは久木先生の背中を押して逃げた。
そのあと久木先生が家まで送ってくれて。
先生は気を使ってくれたのか、拓海くんのことには触れることなく別れたんだよね。
それからも心配のメールをもらったりして、
迷惑かけちゃったなって思ってたんだ。