美男子症候群!?
菊池くんにいきなり迫られたり、拓海くんに耳舐められたり噛まれたり胸触られたりと、
散々な目にあったあたしが、なにゆえ痴女呼ばわりされなきゃならないのか。
びっくりしすぎて、反論の言葉が出てこない。
そんなあたしの前で、拓海くんは立ち止まって振り返った。
「それとも……俺を意識しすぎてる、とか」
ギクギクギクッ。
あまりにも的確に言い当てられて、冷や汗が。
ここで拓海くんの言葉を認めるのは、あまりにもリスクが高すぎる。
意識してるなんて気づかれたら、いままで以上になんかされそうだし。
そうなったらもう、鼻の毛細血管を守るのにも限界がきそう。
「さ……佐渡くんは」
「拓海でいい。名字で呼ばれんの、慣れてない」
うわあ、いいの?
心の中でだけじゃなくて、実際に名前で呼んでもいいの?