美男子症候群!?


「なんでもない。でも冗談じゃなく、男と2人きりになったりすると、こういう危険があるわけだから。気をつけないとね」




確かに……菊池くんにも、ソファーに押し倒されかけたしなぁ。



まさかあんな場所で、そんなみだらな行為に及ぶわけないとは思うけど……



拓海くんには胸触られちゃったし。


耳も舐められちゃったし。


ぺろっとぬるっとね。



気をつけないといけないのかも。




「なにかあったら、俺に言って」



「久木先生に?」



「そう。守るから、ハルちゃんのこと」




リップサービスかなって、普通は思うところだけど。



久木先生の目は真剣で、あたしは無意識にうなずいていた。




ただの家庭教師と生徒の関係なのに、どうして久木先生は、こんなにあたしに良くしてくれるのかな。


しかも出逢ったばかりなのに。



不思議だなと思ったけど、先生は救世主だからきっと誰にでも優しいんだ、という結論に達して、


それ以上深く考えることはなかった。
















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