美男子症候群!?
「どう思った?」
「へ? どう、って?」
「あいつ。俺の弟」
「あ……陸斗くん」
「陸斗くん?」
あたしが名前を言うと、拓海くんの目が鋭く光った。
やっぱりいつもの拓海くんじゃなくて、すごくピリピリしてるなぁ。
ドキドキしながら弁明する。
「えっと、あのあと彼に見つかっちゃって、少しお話したの」
「話した? 陸斗と?」
「うん。いまどきスレてない、素敵な弟さんだね」
そう言った途端、ものすごく冷たい目で睨まれた。
こわくて、心臓がひやっとなったくらい。
「結局野宮も同じか」
「同じ?」
同じって、何がどう?
どこかあきらめたような響きのある声に、あたしは不安になった。