美男子症候群!?
「あいつ、できた弟だろう」
「え……う、うん。なかなかしっかりした弟さんだと思います」
あたしの答えに、拓海くんは鼻で笑った。
どうしよう、すごく機嫌が悪いみたい。
ここは陸斗くんを褒めちゃいけないところだったかも。
「俺は、他人より色々優れてる」
「……はい?」
「顔も頭も運動神経も美術センスも。ありとあらゆる分野の才能にも恵まれてる。
正直なにをやっても上手くいくから、なにに対してもあまり興味が持てない」
「はあ……」
なんかいきなり、すごい自慢が始まったんですけど。
でも、確かになんでもはじめから上手くできちゃったら、あんまり夢中にはなれないよね。
達成感とかも味わえないだろうし。
天才には天才の悩みがあるってことなのかな。