美男子症候群!?
「意外だったわー。佐渡って、けっこうしつこいタイプの男だったのね」
放課後、教室掃除をしながら、紗知子がニヤニヤと笑う。
この親友はもはや、あたしを助けることを一切してくれなくなった。
おかげであたしは、1人で大出血の危機を回避するべく、日々拓海くんの美力と戦っている。
「あたしこの前、突き飛ばしたのに。なんでますますかまってくるんだろ。
……もしかして、拓海くんて」
「お。ようやく気づいた?」
「ドMだったのかな!?」
「……うん。そうかもね」
紗知子がしら~っとした顔でため息をつく。
そっかー、拓海くんドMかもなのかー。
じゃあ突き飛ばしたのは逆効果だったんだなぁ。